YAAC税理士事務所

飲食店の値上げ判断を、データで支える|会計・レジ・客数をAIで横断分析

飲食店の値上げ判断を、データで支える|会計・レジ・客数をAIで横断分析

飲食店の値上げ判断を、データで支える|会計・レジ・客数をAIで横断分析

こんにちは、YAAC税理士事務所の山田です。

原材料の値上がりが続き、「そろそろ値上げをしないと」と考えている飲食店の経営者の方は多いと思います。
でも、いざ値上げとなると、迷うことがたくさんあります。
全品を一律に上げるのか。商品ごとに変えるのか。それとも量を調整するのか。
お客さまが離れてしまわないか。

先日、飲食店を経営する顧問先から、まさにこの相談を受けました。
そこで、会計の数字だけでなく、レジのデータや来店客数まで横断して分析し、値上げを考えるための材料をお渡ししました。
この記事では、何を分析し、どんな材料を出したのかを紹介します。

「成果から逆算して材料を集める」という考え方の全体は、『AI活用は「最後に出したい成果」から逆算する』に書きました。この記事は、その実例の一つです。


会計の数字だけでは、値上げは決めにくい

試算表や損益計算書を見れば、原価率が上がっていることは分かります。
ただ、「どの商品を、いくら上げるか」までは、会計の数字だけでは見えてきません。

値上げを考えるには、もう一段細かい材料が要ります。
どの商品が売上を支えているのか。
前に値上げしたとき、売れ方はどう変わったのか。
売上の変化は、お客さまの数の変化なのか、一人あたりの金額の変化なのか。


使ったデータ

今回の分析では、次のデータを掛け合わせました。

  • 会計のデータ(freee の部門別の損益や取引)
  • レジ(POS)の商品別の売上データ。今期と前期の2年分
  • 商品ごとの単価と販売個数
  • 日報に店長が入力している、毎月の来店客数

レジのデータからは、売上の大きい順に商品を A・B・C に分ける「ABC分析」をしました。
売上の多くを占める A ランクの商品が、値上げを考えるときの中心になります。


お渡しした材料

分析の結果、たとえば次のような材料をお渡ししました。

売上の変化を「客数」と「客単価」に分けて見る
前年と比べた売上の差が、お客さまの数の変化によるものか、一人あたりの金額の変化によるものかを分けました。
どちらが原因かで、打つ手は変わります。

A ランクの商品を値上げしたら、年間でいくら変わるか
A ランクの商品を一品あたり50円上げた場合、100円上げた場合で、年間の売上がどれくらい変わるかを試算しました。
(お客さまが離れない前提の、あくまで目安です)

前回の値上げで、売れ方はどう変わったか
以前に価格を改定したとき、大きく上げた商品の販売数がどう動いたかを確かめました。
同じ時期の他の商品の動きと比べて、値上げの影響を切り分けています。


数字の正しさは、AIに任せない

この分析は、AIと一緒に進めました。
ただ、数字の計算そのものは、AIには任せていません。

データの取り込みや集計は、すべてプログラムの計算で出しています。
報告書の中の数字も、手で書き写すのではなく、計算した値をそのまま入れる作りにしました。
そのうえで、報告書を作ったのとは別の計算で、元のデータから数字を出し直し、報告書の数字と一つずつ突き合わせました。

この照合で、実際に誤りが見つかっています。
文章の中の数字の書き間違いや、名前が変わった商品を別の商品として数えていたところです。
どれも直してからお渡ししました。
AIは自信満々に間違えることがあります。だから、確かめる仕組みまで含めて作る。ここは譲れないところです。

同じ考え方で作った、納税の確認を API でワンクリックにした仕組みは、『API でワンクリック納税確認を実現』に書いています。


決めるのは、経営者

こうした横断的な分析は、人の手だけでやろうとすると、本当に大変です。
AIを使うことで、弊事務所の側のコストを抑えながら、顧問先にお届けできるようになりました。

ただ、分析はあくまで判断の材料です。
どの商品をいくらにするか、どんなタイミングで変えるかは、お店とお客さまを一番よく知っている経営者が決めることです。
数字を出すのは僕らの仕事、アイデアを出すのは社長の仕事。この役割分担は、AIを使うようになっても変わりません。


値上げや価格の見直しを考えていて、判断の材料がほしいという飲食店などの経営者の方は、お気軽にご相談ください。
顧問先にこうした分析を届ける仕組みを取り入れたいという同業の方も、歓迎します。

【お問い合わせはこちら】
https://yaac.co.jp/contact/

YAAC税理士事務所
山田 直広

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