東京青年税理士連盟でAI研修の講師を務めました。
こんにちは、YAAC税理士事務所の山田です。
2026年9月18日、東京青年税理士連盟の実務研修にて講師を務めました。
キーメッセージは「AIを活用することで、私たち税理士の価値はどこに向かうのか?」
本記事では、その概要を紹介いたします。
開催概要
日時:2026年9月18日(金)18:30〜20:30
会場:東京税理士会館(千駄ヶ谷)
主催:東京青年税理士連盟
テーマ:税理士の価値はどこに向かう?~今後を見据えた、税理士とAIの付き合い方~
昨年に続き、2回目の講師として
東京青年税理士連盟は税理士による任意団体で、私も2017年の開業当初から会員として所属しています。
同連盟でAI研修の講師を務めるのは、昨年に続いて今回が2回目です。
昨年の研修はありがたいことに好評をいただき、参加された先生からの紹介で、2026年の年始には東京税理士会杉並支部でもAI研修の講師を務めることになりました。
そうしたご縁が続く中、今年も東京青年税理士連盟から「ぜひ」とお声がけをいただき、今回の登壇に至っています。

1年で、研修の中身がほぼ入れ替わりました
昨年の研修では、GPTsやGemといった指示をあらかじめ登録しておける機能や、NotebookLMの活用法を、当時の最善の方法としてお伝えしました。
ところが今年の資料を作り始めてみると、その多くがすでに古くなっており、実際にはほとんど使っていません。
今年の研修の中心に据えたのは、AIが自ら作業を進める「AIエージェント」と、AIが働く環境を整える「ハーネス設計」です。
会場には昨年も受講された方が多くいらっしゃったので、当日もこの変化についてお話ししました。
たった1年でAIの使い方がここまで変わることを、講師である私自身がいちばん実感した研修だったかもしれません。
研修の内容
研修は、AIの現在地、ハンズオン、有料版の実演、弊事務所の活用事例という4部構成で進めました。
ハンズオンでは、無料版のGeminiでメールの返信文を作成していただいたほか、Gemini Notebook(旧NotebookLM)に税法の条文を読み込ませ、根拠となる条文を示しながら回答を得る使い方を体験していただきました。
後半は、弊事務所でも全スタッフが使っているGoogle Workspaceの有料版で、メールの返信や日程調整、契約書の確認を実演しました。
あわせて、ハルシネーションや情報漏えい、プロンプトインジェクションといった、AIを使ううえで押さえておくべきリスクについてもお伝えしています。
弊事務所の活用事例
1つ目は、顧問先で経理の担当者が急に不在となり、どの口座から何を支払っているのか分からない、というご相談を受けた事例です。
訪問までの間に、freee会計とAIを連携させて全口座の過去6か月分の入出金から資金の流れをレポートにまとめ、ご連絡からおよそ3時間後には、その資料をもとに対応を始めることができました。
2つ目は、新店舗の物件が決まり、2週間後に金融機関との打ち合わせが控えていた顧問先の事例です。
freee会計のデータに、これまでの面談の文字起こしと物件の契約書を加えてAIに渡し、事業計画と融資計画を作成しました。
前提となる数値は、社長が毎月の面談の中で話されていた内容から拾っており、日頃の対話を記録として残していたことが、計画づくりを大きく支えてくれました。
また、事務所の日常として、毎朝パソコンに「おはよう」と声をかけると、AIがメールや当日の予定、前日からの引き継ぎ事項をまとめて報告してくれる仕組みも紹介しました。
この仕組みについては、noteの記事「税理士事務所の朝は、AIへの挨拶から始まる」で詳しく紹介しています。
参加者の皆様の反応
研修の冒頭では、スマートフォンから回答できるアンケートを行いました。
AIを「業務で使い始めている」という方が多く、使っているサービスはChatGPT、Gemini、Claudeの順でした。
ちなみにこのアンケートの仕組みも、外出先からスマートフォンで事務所のAIに指示して作成したものです。
後半のディスカッションでは、各テーブルで今の使い方や、これから試したいことを共有していただきました。
中には、2つの有料AIにお互いの回答を検証させながら実務に使っているという先生もいらっしゃり、会場の皆様の活用の幅広さに私自身も刺激を受けました。
研修後のアンケートでは、ご回答いただいた16名のうち15名の方から「満足」「とても満足」との評価をいただきました。
明日から試してみたいこととしては、「NotebookLMで税法を調べる」と「事務所の業務フローにAIを組み込む」が最も多く、今後聞いてみたいテーマでは「セキュリティ・情報漏えい対策」が最多でした。
「有料契約はしたものの、時間もなくセキュリティも気になって進めずにいたが、今回の研修で再スタートできそう」というお声もいただいています。
ただ、「ハンズオンの時間をもっと増やしてほしい」「質疑応答の時間がほしかった」というご意見もいただきました。
次の機会には、実際に手を動かす時間と、皆様のご質問にお答えする時間をしっかり確保したいと考えています。
税理士の価値は、どこに向かうのか
AIは、情報をまとめて出すこと(アウトプット)を得意としています。
ただ、それを経営の成果(アウトカム)につなげるためには、経営者と向き合い、対話を重ねることが欠かせません。
研修の最後は、「私はAIを使い、顧客と対話する時間を増やします」という言葉で締めくくりました。
AIに任せられる作業はAIに任せ、そこで生まれた時間を経営者との対話に充てていく。
これからの税理士の価値は、そこにあると考えています。
研修後の懇親会でも、多くの先生方と意見を交わすことができました。
入会から約9年、さまざまな方と交流してきましたが、改めて自分がAIやテクノロジーに力を注いできたことを実感する時間でもありました。
2年続けてこのような機会をいただいた東京青年税理士連盟の皆様、そしてご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
「税理士に経営の相談をしたいが、話せるのは決算のときくらい」
「急な資金繰りの相談に、すぐに対応してくれる専門家を探している」
「AIやクラウド会計に関心はあるが、何から始めればよいか分からない」
このようなお悩みをお持ちの経営者の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
AIに任せられる業務は任せ、その分の時間を経営者の皆様との対話に充てるご支援をいたします。
また、税理士会の支部や各種団体での研修・登壇のご依頼も承っております。
AIの業務活用をテーマにした研修をご検討の際は、下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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YAAC税理士事務所
山田 直広
